【被災地の海岸清掃】気仙沼ボランティア活動に参加して
3月9日土曜日、気仙沼の階上地区のKRA海岸清掃ボランティアに行ってきました。
休憩時間に少し写真を撮ることができたので、その記録をご紹介いたします。
前回の記事はこちら↓
そもそも、KRAとは「気仙沼復興協会」という一般社団法人で、ボランティアの受け入れや被災者の支援活動などを行っています。
ボランティア活動は月命日の毎月11日に必ず行われているようですが、水曜日以外なら一人からでも活動できるようです。
今回行ったときは3月11日の直前の土曜日ということで、貸し切りバスでボランティアに来たという団体客(100人はいたと思う)の方々と一緒でした。
集合場所は普段は復興協会ですが、伝承館の駐車場に団体バスを駐車させるためか、今回に限り伝承館の前でした。
BRTで来たので散歩がてら歩くつもりでしたが、ありがたいことに陸前階上駅まで協会の方が車で迎えに来てくださいました。
残念ながら伝承館のオープンは翌日の10日だったので中を見学することはできませんでしたが、駐車場の外から見るだけで痛々しい姿が見えてきました。
その周辺も、やっぱり(こんな本音を言ったら叱られるかもしれませんが…)見渡す限り一面更地でどこも工事をしていました。
集合時間の8時半に団体バスが到着すると、多くの方がぞろぞろとやってきました。
またまた車で送ってもらい、海岸にやってきました。
岩井崎の潮吹岩で有名な三陸復興国立公園とは離れていましたが、逆光で輝く海が大変美しかったです。
というか、ここも津波が来たはずですが陸前高田とは違って松が生き残っていたんですね…
一本だけ松が津波に耐えた、という”伝説”がすべてではなく、このように大きな観光地にはなってないけれど残った松があることも気づいていかないといけないだろうと感じました。
この日は海の色は真っ青の素晴らしい快晴でした。
さすがに海の近くには寄れないので、遠くから。
それにしてもこの日は風が強くて波が高く、日差しは温かかったけど体感的にはかなり寒かったです。
実際8年前の震災の日は雪が降ったというし、この前日の朝の気温は氷点下に達したそうです。
それにしても、目立つのは白い雲…ではなく防潮堤。
9月に行ったとき確かに工事しているなという印象にありましたが、ここまで大きな防潮堤を作っているとは思いもしませんでした。
とはいえ、東日本大震災ほどでないにしろ、またいつか大きな地震が来る可能性はあるでしょうから、つくるべきでしょう。
それにしても、気仙沼市街地は大島や唐桑半島に囲まれた湾があるというのに、津波が町を舐め尽くしたなんてやはり想像しただけでショッキングです。
今回はこの辺りで遺骨を捜索しました。
いや、8年もたって骨なんてまだあるの…?と驚きましたが、どうやら2月には(動物の骨を含めているとはいえ)それらしきものが75点見つかったそうです。
自分もサメの歯を見つけました。サメの歯は結構抜けやすく生えやすいから意外と見つかるそうですが、それだけでなく、人骨っぽいものも見つかったそうで。
まだまだ震災は終わってないんだな、行方不明の方もまだまだたくさんいるんだなと実感。
親戚の遺骨を見つけてもらって感謝したというお話を遺族の方から聞いた(追悼式の御遺族の代表の言葉で)ことがありますが、言葉が出ませんでした。
海岸は今だ工事中。正直このあたりは復興しているとは到底呼べない環境でした。
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活動も終わり、BRTに乗車。
市街地のある不動の沢までBRTに乗車します。
BRTから見るだけでいろいろ工事が続いていました。
ここも様変わりするのでしょうか。
3月16日より岩月駅、唐桑大沢駅・西下駅が気仙沼線、大船渡線BRTで開業するそうです。
地元の方にとってはBRTになったことで本数も増えて利便性も向上し、駅(バス停)も増えるということはよいことなのかなと思ったり。
しかしBRTには問題点もあり、一般道を走る区間も存在するため、
市街地に近づくにつれて渋滞に巻き込まれるということもあります。
今回もイオン付近で信号待ちなどでずっと渋滞していたため、不動の沢到着が10分以上遅れてしまいました。
BRT専用道路を作っているとはいえ、完全に解消されるとは言えないし、スピードも少なくとも鉄道ほど速くはならないでしょう。
鉄道とBRTの特徴はそれぞれ一長一短といえるでしょうか。
ちなみに、イオンの建物に少し黒くなっている部分がありますが、これは過去の津波で浸水したラインだそうです。
パニックになっていた客や従業員を店長の方が津波が来るから屋上へ逃げろと避難誘導して事なきを得たそうです。
津波、というより浸水被害のため建物が流されるといった被害はなかったようです。
建て替えや移転もせず、4月1日から屋上で売り場を仮設で仮復旧した、気仙沼の買い物面での復興拠点の一つです。
不動の沢で見かけたBRT工事の看板。
BRTの専用道で渋滞解消、スピードアップし定時運行率が上昇したという区間も増えたといいます。
南気仙沼付近は早めに作ってほしいですね。
不動の沢から少し歩いて街を見下ろしてみました。
工事しているところももちろんありましたが、住宅も並ぶ市街地で、このあたりは街がかなり生まれ変わっているなと思いました。
***
ボランティア、というと堅いイメージが浮かんでしまいそうですが、
単にその土地を見に行ってみたい、という理由でもいいと思います。
私はボランティアを続けることでボランティア自体に興味を持ちましたが、実をいうと人のためとか絆とかいう理由で行ったことはあまりありません。
相手が”今”何を本当に必要としているかを考えて行動する。これがボランティア、いや被災地と向き合うためには一番重要だと思います。
多くの方が、生きていくだけで必死という生活は終わり、今後必要とするものは変わっていきます。それを知ろうとすることが重要ではないでしょうか。
旅行だけでは見えなかった一面を見ることができる。多くの地元の方や一緒に活動している方と話してその人の思いを知ることができる。
いろいろな方と出会いましたし、旅をするだけでは気づかなかったであろう色々な刺激を受けました。
それこそボランティアの本当の醍醐味だと思っています。
また機会があれば、訪れたいなと思います。
~おまけ~
気仙沼周辺はBRTの街になってしまいましたが、一ノ関から気仙沼までの区間は鉄道が通っています。
その区間は例によって、乗って楽しい列車も存在します。
ピカチュウがたくさん乗車しているポケモン好きにはたまらない列車。
「POKEMON with YOU」というポケモンの被災地支援活動の全面協力で、東北の子供たちを元気づけたいと運行を開始したそうで、家族連れの方もたくさん乗車する人気列車です。
往路は一ノ関11:01発、復路は一ノ関16:35着。2時間弱かけてのんびり走ります。
気仙沼には12:51から14:37までしか折り返し時間がないので、短い気もしますが
ある意味これはこれで気仙沼での宿泊を促しているのかなと思ってみたり。
駅名板にもピカチュウが。悲しいことに隣の鹿折唐桑の駅名がテープで消されてしまっています。
あくまでBRTの実質”仮”復旧とはいえ、こののテープがはがされることはあるのでしょうか。
東京を7:56に出る新幹線はやぶさなら一ノ関10:08着で、前を走る定期の普通列車含めて間に合います。これも機会があったら乗ってみたいです。
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