【東大寺の瓦を作った史跡】万富東大寺瓦窯跡を散策
皆様、あけましておめでとうございます。
2019年もよろしくお願いします。
さて、年明け早々新シリーズを始動します。
題して、【マイナー観光地を巡る旅】。
観光立国の日本にはたくさんの有名な観光地がありますね。この冬、私は山陽地方を訪れましたが、その中でも姫路城や厳島神社など世界遺産や日本が誇る超有名観光地がたくさんあります。そしてそのようなところには基本的に常に多くの人がいます。
その一方で市の公式サイトには載っているけど、普段はあまり行こうと思わないような観光地も存在します。
Googleマップなどでも口コミが相当少なく、行くのをためらってしまうようなところ、ありませんか?
今回のシリーズではそのようなそこまで観光客がいないような観光地を巡ってみようという企画です。
いやいやそこはマイナーじゃない!というお叱りを受けるかもしれませんが、
少しでも興味を持っていただける方がいることを願って書きますので、よろしければ見ていただけると幸いです。(コメントは自由ですのでぜひ意見などありましたらお書きください)
さて、前置きはこのあたりにして、以下から本編です。
今回はJR万富駅(上郡~岡山)からほど近い、東大寺瓦窯跡の散策記です。
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万富駅というと徒歩圏内にビール会社のキリンの工場があるらしく、お酒好きの方が工場見学や試飲などをしているそうだが私は未成年。
というかリニューアルのため休館中のようで工場はやっていないそうであった。
しかし私が乗った電車は和気行き。相生へ向かうためには列車を乗り換えなければならない。その間の待ち時間に観光できそうなところはないかと検索。するとここがヒット。
正直どこでもよかったっていう感じ丸出しで申し訳ありません…
とにかく駅近なら行ってみようということで少し散策してみることに。
ちなみにそのキリンビール工場のサイトはこちら。機会があったらまた行ってみたいところだ。
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5分ほど歩くと国道沿いに「東大寺瓦窯跡 ←」という案内看板が。
そこを左に行くと細い道と案内看板があるので案内通りに進む。
おお、仰々しい看板や石碑があった…のだが、なんとそこは今はお墓になってしまって、観光地とは思えない雰囲気であった。
とはいえ国指定史跡に変わりはなく、パンフレットも大きな案内板の隣のポストのような木の箱の中に入っていた。
ちなみに駐車場はないので注意が必要だ。
では、ここでもらってきたパンフレットの内容を要約してみよう。
奈良時代(約1250年前)に創建された東大寺は、1180年の源平の戦い(以仁王が平氏追討の令旨を発した年)で平重衡が興福寺とともに焼き討ちをしたため、焼失してしまう。その翌年に俊乗房重源(しゅんじょうぼうちょうげん)が60歳で東大寺の復興の責任者である勧進職に任命。そのとき大仏殿などの建物の再建に、周防国から木材が、備前国から瓦が製造されて東大寺に運ばれたのである。
備前国では備前焼が有名であるように焼き物の生産が盛んであり、吉井川という瀬戸内海への水運もあったため材料や製品の運搬に適していたことから生産地に選ばれたのであろう。
なお、この俊乗房重源は東大寺復興のみならず、東大寺の運営基盤を作りあげながら各地で仏教を布教し土木事業などの戦災復興にも貢献。東大寺の俊乗堂に「重源上人坐像」という秘仏となり安置されることとなった。
この東大寺瓦窯跡は14基の瓦窯、管理棟と思われる礎石、工房や暗渠排水施設などが確認されており、瓦窯は長さ5mで幅1.5~2mと非常に大規模な瓦の製造場であり、造られた瓦は約30~40万枚。その瓦は大仏殿だけではなく回廊や門、鐘楼にも使用されたそうだ。
これがお目当ての軒丸瓦。中央には「大日如来」を表す梵字、その外側に「東大寺大仏殿」の文字が配置されている。
とはいえこれは実物の3倍ほどの大きさのレプリカなので、実物を見たい方は東大寺に行ったほうがよいだろう。
とはいえ円の直径は約20㎝もあり、800年前にこんな立派なものが何十万個も作られたとは相当驚きだ。
すぐ隣にはその瓦窯跡。何もないこの広さが昔の窯の大きさを物語っていた。
滞在時間は15分ほどだったが、ここだけなら十分すぎるだろう。
ビール工場を見ながら駅に着き、相生行に乗車。
そして山陽本線の車窓から見えた吉井川。
広く穏やかな川で中国山地から美作を通って瀬戸内海に流れ込んでいるそうだ。
遺跡に行く前といった後ではこの川も何となく違って見える…かな。
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新シリーズ第一回。いかがでしたか。
写真も文字もやや少ない気もしますが、東北の被災地旅の時に何度も言っている通り、こういうところはネットで見るだけではなく実際に行ってみないと何もわかりませんからね。是非自分の足で見に行ってみてください。
そこを目的としては行かないようなところも、行ってみると興味深いものがあって意外と楽しめました。これが途中下車の旅の醍醐味でもありますね。
今度は岡山県立博物館にも行ってみたいです。
こういうマイナーなところにもいろいろ旅しているので、好評でしたら第二弾も行います。よろしければぜひご期待ください。
【参考文献】
【参考リンク】